ソーシャルスキルの基本~相談~

2021年11月16日

ソーシャルスキルとは

ソーシャルスキルとは、他の人と関わり良好な関係を築き、共に生活していくために社会に適応するために必要な能力のことです。たいていのお子さんは成長に従ってソーシャルスキルを意識せずとも習得していきます。しかし発達障害のお子さんで、特にコミュニケーション面で特性が強い場合は、自然と・場の空気を読んで・無意識のうちに社会に適応するというのが難しいことが多いです。そのため、状況や場面に応じて適切な対応ができるようソーシャルスキルを習得していくことが大切です。適切な対応ができるように練習していくことをソーシャルスキルトレーニング(SST)といいます。

「相談」を中心にソーシャルスキルが育っていく

子どもは幼いころ、困り果てて、泣きながら親に助けを求める事があります。これば相談のはじまりです。幼いころは困ったから親に相談しよう、という思考回路はまだありませんが、親に助けを求めるやりとりを重ねながら、成長と共に相談を実践できるようになっていきます。子どもは成長過程の経験の中で、自分には難しいこともあるのだと認識してきます

そして、困ったときには人に頼り、相談するというスキルを身につけてきます。相談できる子は社会参加もできるようになり、相談を中心にソーシャルスキルが育っていきます。

困っていることを理解できるように

子どもは買い物、進路選択など、さまざまな活動や経験を通して、自分にできること、難しいことを理解していきます。自分の得意なことを中心に生活をしていきますが、自分の力だけで対処しきれないトラブルになったとき、困っていると認識できるようになっていきます。困っていることを自覚できると、トラブルが放置され、悪化していくことが少なくなっていきます。

困ったら相談できるように

トラブルだと気付けたら、周りの人に相談して、助けを求める様になっていきます。幼いころは周りの人の助け舟も必要ですが、成長に伴って、自分から相談できるようになっていきます。周りの人の協力を得てトラブルに対処できると、社会参加が進んでいき、自分で解決できたと自信を持つこともできます。

「相談」という何気ないことも、大切なソーシャルスキルです。相談をする練習は家庭でも十分に行うことができます。ぜひお子さんと良好な関係を築き、相互に相談ができるといいですね!

※参考文献 自閉症スペクトラムの子のソーシャルスキルを育てる本 思春期編 / 監修 本田 秀夫