言葉の遅れはなぜ起きているのか、親ができることは?
※この記事の参考文献 お母さんができる発達障害の子どもの対応策 監修/宮尾益知
発達障害特にASD(自閉スペクトラム症)のお子さんによくみられる特性の1つに言葉の遅れがあります。
診断されている訳ではなく、言葉が遅いな、心配だなとご覧になって頂いている方もいるかもしれませんが、言葉が遅れている=発達障害という訳ではありません。
2歳3歳になっても発語が見られないと、本当に心配になりますよね。
我が家の長男も言葉の遅れがありましたのでとても不安になりました。
なんでうちの子はママって呼んでくれないのかな・・・
当時は保育園に通っていたので、同じクラスのお友達が「ママ―!」と呼んでいるのを聞いて、なんども涙が出そうになりました。
診断がつく前でしたので、不安しかなかったです。
言葉の遅れ、偏りはどのように現れるのか
ASDの基本的な特性のひとつにコミュニケーションの障害があります。
2~3歳になっても喃語は出ても、パパ、ママ、ワンワン等意味のある言葉が出てこないというのは多く見られます。また、お名前は?と聞くと、おなまえは?とオウム返しもよく見られます。
子どもは問いかけや指示を理解している訳ではなく、言葉をそのまま口に出しているだけなのでオウム返しが起こります。反対に答えない反応を示さないこともあります。
また、逆に2歳を過ぎたころからよく話すようになる子もいます。言葉の数が多く、難しい表現を使う場合もあります。これは覚えた言葉を口にしているだけで、意味を理解して伝えようとしている訳ではありません。この特性を示すお子さんは、言葉自体の遅れを感じにくいので、見逃されやすいです。
いずれにしても、言葉とその言葉の意味が繋がらないという特徴があります。
話したい、伝えたいという欲求
こうした言葉の遅れや偏りはASDの子どものほとんどに見られると言われています。
それは、人と話したいという欲求が少なく、自分の気持ちを伝えるのが苦手である、というのが原因になります。
わたしは医師の診察で、言葉の遅れを相談した際、「この子は話す気がないから話さないだけ。話す気が出てくれば話すから」と言われました。
なんて適当な・・・と思いましたが、息子の話したいという欲求が少ないなんて想像もしていませんでした。
言葉以外の表現に目を向けてみる
人と話す為に言葉を覚えようとしない、言葉を使おうとしないというお子さんは、人に対する興味や関心が少ない傾向があります。
言葉の発達は個人差が大きいので、成長に従って言葉を覚えて話せるようになるお子さんが多いです。
たくさん話しかけたから早く話せるようになる訳ではりません。
しかし、場面に応じた適切な言葉を教えてあげるという意味で、大きな独り言になってしまいますが、声を掛けてあげるのは大切です。
また、言葉が出る・出ないだけに注目するのではなく、他の小さな変化に目を向けてみてください。
言葉というのはコミュニケーションを取る為のツールのひとつにすぎません。
言葉でコミュニケーションを取るというのは実はとてもハードルの高いコミュニケーション手段です。今までにはしていなかったけれど最近はこういうことをするという変化に目を向けて、成長を実感しましょう。
言葉になっていなくても、目線や手の動き、体の動きなどで何か伝えようとしているかもしれません。
気持ちの変化を察してあげたいですね。
※参考文献 お母さんができる発達障害の子どもの対応策 監修/宮尾益知